タンパク質の構造


タンパク質の一次構造

ポリペプチド鎖を構成するアミノ酸残基の直線状の並び方、配列。

タンパク質の二次構造

ポリペプチド鎖の一部の局所的な組織化のこと。
安定化に寄与する相互作用が何もないと、ポリペプチドはランダムコイル構造をとる。
一方、安定化に寄与する水素結合が残基間にできると、ポリペプチドの骨格構造は、αヘリックスかβ鎖という2つの幾何学的配置のどちらか一方の形に折り畳まれる。β鎖は横に会合してβシートを形成する。
ターンは4残基でできたU字の構造で、Uの腕の間の水素結合で安定化されている。ターンはタンパク質の表面にあって、ポリペプチド鎖の向きを転換させる。

タンパク質の三次構造

アミノ酸の3次元的な配置のこと。
水素結合で安定化している二次構造に対して、非極性側鎖の疎水結合作用で形成される。
タンパク質の大きさや形はアミノ酸配列だけではなく。二次構造の数、大きさ、配置にもよる。

αヘリックス



 βシート


モチーフ

二次構造のいくつかの組み合わせをモチーフと呼ぶ。特徴的な組み合わせがあり、ある機能を伴っている。カルシウム結合タンパク質がもつカルシウムイオンを結合するヘリックス・ループ・ヘリックスはその例である。また、亜鉛を結合し、指の形に似ていることから名付けられたジンクフィンガーもモチーフの一つである。

 モチーフ模式図


ドメイン

ドメインは100〜300残基のアミノ酸から構成され、αヘリックス、βシート、ターン、ランダムコイルなどの組み合わせでできている。ドメインは構造の特徴で名付けられることが多い。たとえば、ある特定のアミノ酸が多いもの(プロリンの富むドメイン、酸性のドメイン、グリシンの富むドメイン)、いくつものタンパク質で見つかるアミノ酸配列、特定の二次構造モチーフを持つものなどがある。

 ドメイン模式図


いろいろな形で表したグアニンヌクレオチド結合タンパク質Rasタンパク質

 Rasタンパク質のポリペプチド鎖骨格

 Rasタンパク質の棒球モデル

 Rasタンパク質のαヘリックスとβシートを表したモデル

 Rasタンパク質の表面を表したモデル